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熟年離婚、未成熟子のある夫婦の離婚、それとも?

 令和6年4月、東京家庭裁判所家事第6部は、「『東京家裁人事部における離婚訴訟の審理モデル』について」を発表しました。これが雑誌「家庭の法と裁判」2024年8月第51号に掲載され、一般の人々の目に届くところとなっています。


 この審理モデルについては、その前文《はじめに》を含めて重要なことが沢山書かれています。ただ、これから離婚訴訟の当事者になるかもしれない方には、とても難しい内容かもしれません。東京で離婚訴訟を考えている方は、是非、この審理モデルの実際のところをよく理解している弁護士に相談することをお勧めします。


 日本法では、一方が離婚したいと思えば、離婚に至る道筋を間違えなければ、いつかは離婚できます。ただ、ほとんどの場合、離婚するには、相手がいる話です。その相手のいる話のため、自分の思い通りには進まないことがあります。他方、当事者双方が離婚に同意し、離婚の際の附帯事項についても、相互に譲り合う等して話し合いがまとまるのであれば、裁判所の手続を利用せずに当事者のみで協議離婚ができます。附帯する事項を決めなくても…という方は、その相手の対応次第ということになります。


 ビジネスでの契約交渉でもそうだったのですが、目的達成に関係のないところで、デフォルトルールから少しでも不利な要素があると、それを譲歩できない人たちを見てきました。こうなると、契約締結までに時間がかかります。離婚事件で思うのは、デフォルトルールでさえ納得できないという人が多いということ。


 審理の長期化の理由は事案によって様々です。熟年離婚、未成熟子のいる夫婦の離婚、共働き夫婦の離婚など、どの夫婦にも離婚訴訟の審理が長期化する要素があります。離婚を考えている方は、まずは法律相談で離婚事件の全体像を知り、事前に自分の離婚事件の見通しを立ててから、弁護士に案件を依頼することが大切だと思います。ご自身のリスク許容範囲を考えないないまま弁護士に依頼して離婚調停を始めてしまうと、想定外のところで長期間悩まされるかもしれません。その悩みの種が、実はデフォルトルールだったりするのです。


 事業承継等のビジネス事案と家事事件(離婚、成年後見、相続など)の交錯する場面で、私の企業法務経験と家事実務を活かすことができればと考えています。これに、渉外要素が加わると、更にお役に立てることがあると思います。 

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