昨年、AI契約審査が弁護士法に違反するか、という話題がありました。報道によれば、法務省が2023年春にもガイドラインを出すようなことでしたので、そろそろ法務省から指針が発表されるかもしれません。当然のことながら、サービス内容や技術の進歩の程度によって、AI契約審査が非弁になるかどうかの評価は変わってくると思います。
これと似て非なる問題として、英文契約書を読むのに自動翻訳を利用していませんか。
自動翻訳の進歩には、目を見張るものがあります。最近では、文法が多少間違っていても、原文が意味不明でも、自動翻訳がきれいな日本語に翻訳してくれます。AIによる文法チェックの機能も進歩していますので、AIを利用すると、工夫次第では、英文契約書の審査の分野でも色々なことができるのかもしれません。
現在の翻訳技術のレベルでは、英文を読んでダブルチェック出来ない人が自動翻訳を使うだけでは、英文契約書の審査は必ずしも十分ではないと思うところです。勿論、定型の契約書であったりすると、細かいチェックは不要でしょうから、自動翻訳を利用して済ませるという判断もあると思います。
日本語を読むことができるとしても、日本語の契約書を理解できるか、審査できるかは別の話であるのと同様に、英語を読むことができれば英文契約書を理解できるか、審査できるかは別の話になります。AIのチカラを借りて英語を日本語に翻訳したとしても、英文契約書の内容を理解できるか、審査できるかは、更に別の話ではないかと思うところです。
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